【学院生の活躍】「21世紀の中高生による国際科学技術フォーラム(SKYSEF2021)でのExcellence Award受賞」 46期理事 三輪洋靖 

1995年(H7)卒 46期理事 三輪洋靖 B組 機械

21世紀の中高生による国際科学技術フォーラム(SKYSEF2021)でのExcellence Award受賞

 2021年8月に開催された21世紀の中高生による国際科学技術フォーラム(SKYSEF2021)で高等学院3年生の宮川諒君がExcellence Awardを受賞しました。SKYSEFは2012年より8月に静岡県で開催されている国際フォーラムで、今年は7つの分野で口頭発表とポスターセッションが行われ、宮川君は「Establishment of Experimental System for Soil Nematodes (土壌線虫の実験系の確立)」という研究発表で生物学部門での受賞となりました。SKYSEFでの学院生の受賞は2015年の審査委員奨励賞、2016年、2018年の第1位に続く4回目の快挙になります。そこで、受賞に至るまでの歩みについて、宮川君にインタビューをしてきました。

 宮川君は理科部生物班に所属していて、中学部時代から同窓会の学術研究奨励金を受けて、研究活動に取り組んでいました。当初は土壌中の生物の多様性を評価するシステムをもとに、海洋における生物の多様性を評価する方法を開発していました。高等学院進学後、遺伝子に関する生化学研究をきっかけに、モデル生物に使用される土壌線虫の採取、繁殖の手順が中高生にとっては難しいことを知り、2年生になった2020年より土壌線虫を簡単に採取、繁殖できる実験系の開発に関する研究に取り組み始めました。

 従来は、土壌線虫が湿った環境を好む特性を生かし、漏斗と布を組み合わせたベールマン装置で土壌線虫を採取していました。宮川君の研究では、ベールマン装置の漏斗と布を受け皿とメッシュに置き換え、従来よりも簡単に受け皿に土壌線虫が溜まる手法を開発しました。そして、メッシュの粗さを調整することで、最適なメッシュ密度を明らかにしました。さらに、受け皿に溜まった土壌線虫を顕微鏡で見ながら採取し、餌の大腸菌を表面に塗布した専用培地で20℃に温度管理することで、その6割で20時間以上の培養が可能であることを明らかにし、開発した実験系の有効性を実証しました。

 しかし、研究は容易ではなかったそうです。2020年度は新型コロナウィルスの感染拡大で部活動は制限され、採取方法の開発はほとんど自宅で行い、学校で行った土壌線虫の培養実験も思うようにできなかった時期もあったそうです。一方で、このような状況だからこそ、身近なもので実験系を開発するモチベーションが湧いたそうで、困難をチャンスに変えて乗り越えていく力強さを感じました。

 SKYSEF2021については、オンライン大会で事前に提出したポスターと発表動画による審査であったため、会場でのディスカッションや授賞式がなかったのは残念だったとのことです。また、受賞の連絡には驚いたそうですが、実は先輩方の受賞を糧に、自身も受賞を狙っていたそうです。

 現在は、この研究をさらに進めた卒論研究を終え、新型コロナウィルスの影響で減った研究発表を積極的にしたいそうです。そして、自身が学院の先輩から多くのことを教わってきたように、後輩にも研究成果等を伝えて、学院に貢献するとともに、大学進学後は、生命科学系の分野でさらに専門性の高い学問を学びたいと意気込みを語ってくれました。

インタビューに応じてくれた宮川君。(写真提供:本人)

 インタビューを通して、宮川君が語ってくれた研究内容はとても興味深く、学院生のレベルの高さに本当に驚かされました。一方で、その内容は刺激的でワクワクしながらお話を聞いていました。また、研究に真摯に向き合い、困難を乗り越えていく姿にとても心を打たれました。今後も大学や企業で大いに活躍されることを期待したいと思います。

 最後に、今回のインタビューにご協力頂いた宮川諒君、生徒担当教務主任の大槻隆雄先生に感謝を申し上げます。