【学院生の活躍】「軟式野球部が都大会優勝、2019年以来の全国大会出場」軟式野球部OB 藤井亮太
73期軟式野球部OB 藤井亮太
軟式野球部が都大会優勝、2019年以来の全国大会出場
軟式野球部が 第67回全国高等学校軟式野球選手権大会東京大会で優勝しました。それに伴い、第67回全国高等学校軟式野球選手権大会 に東京地方代表として出場しました。
当チームは、秋季東京都高等学校軟式野球大会兼第62回秋季関東高等学校軟式野球大会東京都予選での2回戦で敗退という悔しい結果から日々の練習を積み重ねて優勝することができました。
チームのエースである右腕鈴木と2年生左腕の小野田の左右エースを中心に夏の大会を戦ってきました。鈴木は、決勝戦にて城西大城西相手に1失点完投。ピンチを背負うものの、要所要所で力強い真っ直ぐに加えて、変化量の大きい変化球を駆使して見事なピッチングで優勝を手繰り寄せました。そして決勝戦の先制点もこの鈴木のタイムリースリーベース。チームを勢いに乗せた、間違いなくMVPであります。一方、2年生小野田も準決勝の強豪である日大三高相手に無失点完投の好投を見せました。全国大会でも先発していて、来年度の軟式野球部も期待できそうです。
今大会では、副キャプテンで、ショート、2番打者を務めていた饗庭が大会前に怪我をしてしまいました。チームに突然できた穴をどう埋めるか課題でした。代わりに2年生の岡がショートとして出場しました。そこには岡の頑張りだけではなく、饗庭副キャプテンの最大限できることをする姿勢が見えました。みんなに指導する、誰よりも声を出して盛り立てる、コーチャーとして引っ張る。このようなチーム力と言ったことがこのチームを都大会優勝に導いたのではないでしょうか。
軟式野球には、“たたき”という戦術が存在します。よく弾むボールの性質を活かして、あえて高く弾む内野ゴロを打ちます。これをランナー3塁の際などに行うことで、スクイズのように硬く1点を取る戦術です。これは学院が伝統的に行なっている戦術なのですが、簡単ではありません。ランナーが、ゴロを打つ前提で走っているためにフライをあげてしまえばダブルプレーになってしまいリスクも伴います。これを夏の都大会では、かなりの確率で決めて見せました。私が春大会時にOBとして練習に参加した際は、成功率が高いとは言えず、課題でありました。しかし、そこから強豪との練習試合からコツを学び、それを研究して、チームに共有。徹底的に意識付けしながら練習することで夏の都大会での成功率を導いたそうです。なんとも学院らしく、考えてやる練習が実施されていました。
打線の主軸は長打やホームランを打ち、下位打線などは、長打が少ないものの球数を投げさせたりエラーを誘うような叩きつける打球を打ったりと全員が簡単にアウトにならない工夫のある打線でした。4番の堀田が放った準決勝日大三高戦での満塁ホームランは、見応えがありました。昨年度の私たちの代では、打率を友達同士競うなど、とにかく個人の成績やヒットを打つことを意識していました。しかし野球はチームでやっているため、自分が得意なことや苦手な部分を考えながら自分のスタイルを作る。そしてチームにどう貢献できるか。そのような野球が出来ていたのが、今年度の代の野球でした。
それに加えて、足を使った動く野球、堅実な守備がありました。セーフティーバントで相手の守備を揺さぶったり、盗塁でチャンスを拡大させたりと積極的な走塁を行っていました。一回一回のノックを本番同然に取り組み、試合を想定しながら練習することで、様々な場面に対応できる堅実な守備が生まれました。
入学当時からコロナ禍であり、満足に野球の練習ができていない代でもありました。そんな中で本人たちの工夫や頑張りはもちろん、周りの方々の支えがあっての優勝であります。引退時のコメントでは、本人たちも、保護者のみなさん、先生方、監督、OBの方々等、各方面への感謝を述べていました。2個上の代がコロナで春夏の大会が無くなった悔しさ、そのようなものも背負って戦ってくれたと私は感じました。これからは、この代もOBとして優勝の経験を後輩に伝え、強豪である軟式野球部を維持し続け、来年以降も都大会を優勝し、全国大会に出場することを期待しています。
写真 68期軟式野球部OB 藤村康之介