【OBの活躍】「ラグビー部OBチームが花園で一勝!」 33期 佐竹 建郎

1982(昭57)卒 33期 G組 佐竹建郎 工経

 

ラグビー部OBチームが花園で一勝!

令和6(2024)年10月14日(月曜祝日)。「マスターズ花園2024」大会3日目の第2試合。初参加の早稲田大学高等学院(東京都)が磐城高等学校(福島県)との対戦で一勝を挙げました。

 この一勝を契機に、ラグビー部OB達のこれまで以上に強い結束とOB会活動の活性化が図られ、現役部員に対する後援の益々の充実も期待される、そんなラグビー部OB会による「マスターズ花園参戦プロジェクト」の報告です。

 このプロジェクトに参加し、ラグビー部の先輩、同期及び後輩との繋がりが生涯にわたり続いていくことが改めて実感できました。

花園ラグビー場にて試合前の集合写真

 

一生青春!OBたちの高校ラグビー

 「マスターズ花園」は高校ラグビーの聖地、東大阪市花園ラグビー場の第1グラウンドを舞台に高校ラグビーOBチームが対戦する交流大会で、全国の高校OBチームから一般公募により18校が選出されて出場する今回で3回目の開催を数える大会です。

 試合の組み合わせは大会主催者が決定し、各試合は参加年代別に第1部(60代以上)15分、第2部(50代)25分、第3部(40代)25分の計65分の対戦で、同点による延長がなく、試合中の選手入替や入替選手の再出場ができます。

 また、第2部(50代)と第3部(40代)の対戦は通常の競技規則の適用を基本とし、第1部(60代以上)は安全対策上、スクラムやタックルなどにおけるぶつかり合いが制限された特別なルールが適用されます。

 

ラグビーは日本の生涯スポーツの先駆け

 この特別なルールは昭和23(1948)年創立の40代以上のクラブチーム「不惑倶楽部」(特定非営利活動法人不惑倶楽部)が、中高年齢者がより安全かつ快適にラグビーを楽しめるようにルール化してきたものが反映されています。

 この「不惑倶楽部」の活動が国内各地に40代以上のクラブチームを誕生させてきたことによりラグビーは日本の生涯スポーツの先駆けとなり、「マスターズ花園」のような大会が開催された背景となっています。

 その特徴的なルールが選手の年代識別のためのパンツの色分けで40代は白パンツ、50代は紺パンツ、60代は赤パンツ、70代は黄パンツ、80代は紫パンツ、90代以上は金パンツの着用が定められています。

 今回の60代以上のチームには、この「不惑倶楽部」所属の伊藤 二朗さん(1959(昭34)卒10期)が紫パンツ(84歳)で参加し、試合にも出場されました。

 

「マスターズ花園参戦プロジェクト」の始動

 今年で創部75周年を迎えた学院のラグビー部は、そのOB達も1千名近くとなり、OB相互の親睦を図り、現役部員の活動の後援を目的としたOB会を組織して活動しています。

 現在もOB会から監督及びコーチを選出して現役部員への技術指導にあたり、現役の試合や合宿の応援の他、ラグビー部の活動への財政支援も行っています。

 最近ではOB会の定時会員総会を学院食堂にて開催し、併せて学院北グラウンドにて現役とOBとの交流を図るイベント等も開催しています。

 このOB会の活動を支えるために毎月開催されている幹事会の下で「マスターズ花園2024」に応募することとし、平成2(1990)年に東京都代表として3度目の花園出場を果たして以来、花園のグラウンドに立てていない後輩達への刺激に繋がればとの想いで、中山 淳さん(1988(昭63)39期)をチーム代表とする「マスターズ花園参戦プロジェクト」が始動しました。

 

OB達のラグビーに向き合う時間の増加

 7月13日(土曜)に学院食堂にて開催した令和6(2024)年度定時会員総会において「マスターズ花園2024」への出場決定通知を受けたことが報告されると、出場に向けた準備が本格化していきました。

 まず、年代別のチームごとに17人以上の選手を集める必要があり、今でもクラブチーム等に参加してラグビーをプレーする機会のあるOBの他、ラグビーをプレーすることから何年も離れていたOBの参加も得て60代以上28名、50代30名、40代21名が集められました。

 また、試合に向けた準備として次の3つの目標が掲げられ、週1回のペースでチーム練習が行われました。

 ・赤黒(ジャージ)の誇りをもって、学院らしく闘う

 ・学院の仲間と一緒に花園でのゲームを心から楽しむ

 ・勝敗は大事だが、安全に怪我無くプレーする

 チーム練習では肉離れ等の怪我が絶えませんでしたが、現役の時に夢見た「赤黒ジャージを着て花園のグラウンドに立つ」ことへの期待感が参加しているOB達のラグビーに向き合う時間を増やし、試合に向けた体調管理の意識を高めていきました。

 

学院北グラウンドにてチーム練習後の集合写真

 

接戦を制して勝利! そしてノーサイド

 第1回から3年連続出場で2連勝中の磐城高等学校との対戦が決まり、「あの赤黒ジャージのチームと試合できるのを楽しみにしている」との話もあり、試合前夜の全体ミーティングでは「赤黒ジャージに恥じないプレーをしつつ、大きな怪我人を出さずに遠征を終える」という目標を改めて確認して試合に臨みました。

 第1部(60代以上)の対戦は開始9分及び15分にそれぞれ学院がトライをあげて10対0、第2部(50代)の対戦は開始4分で学院側がトライ、12分に磐城がトライとゴールキックを成功させて5対7となり合計15対7、第3部(40代)の対戦は開始15分に磐城がトライとゴールキックを成功させて合計15対14、残り10分で学院側のリードが1点差まで詰め寄られたものの、その3分後の18分に学院がトライとゴールキックを成功させて7対7とし、合計22対14でノーサイド(試合終了)となりました。

 試合後には敵味方関係なく全員参加の交歓会であるアフターマッチファンクションがあり、相互に相手方の年代別チームごとの最優秀選手を称え、ペナントとエールを交換しました。このエール交換で学院が歌うのは早稲田大学ラグビー蹴球部の第一部歌である「北風」で、これも赤黒ジャージと共に学院ラグビー部の伝統として受け継がれています。

 

 学院ラグビー部に入部した時から始まった物語は、このようなOB会の活動によりこれからも目が離せない展開を続けていくことになります。

 

花園第1グラウンドにて試合後の両チームの集合写真