【今思うこと】火垂(ホタル)の墓 3期 中村昭徳 (理事)
1952年(S27)卒 3期理事 A組 中村明徳 法
火垂(ホタル)の墓
メールマガジンは楽しく読んでおります。世代によって環境と社会の移りがよく解りました。
コロナの感染が収まらないので、各種のイベント、集まりが中止となり、人との絆が薄れていくような感がしてなりません。
それを繋ぐ役割を果たしているのが、メールマガジンであります。
そこで、おこがましいのですが、原稿を書いたので送ります。
採り上げるか否かは編集の方に任せますので、よろしくお願い致します。
この表題を見て、何だろうと思うでしょう。
私もその一人であったのですが、平成30年にアニメ映画を数多く制作した高畑勲監督が逝去された記事が新聞紙上に大きく扱われ、テレビでこの題名のアニメが上映され、初めて知ったのであります。
原作者は「野坂昭如」で、これが直木賞の受賞作でした。
私は映画評論家で無いので作品の批評は差し控えますが、観た感じを率直に云うと、こんな訴え方、表現方法があるのかと驚嘆と大きなショックを受けました。
太平洋戦争の末期には、このような光景は日本各地で見られていたのです。
しかし当時の世相を鮮明に捉え表現しているのは、やはり昭和一桁の人間だから可能のことでした。
私もこの二方と同じ世代であるので、共感するのと同時に自分もこの世界に引き戻し、食糧の買い出し、周りの人間模様を想い出し、その夜は中々寝付かれませんでした。
今年は戦後75年を迎えたが当時を実際に自分の身体で経験した世代が少なくなってきており、これらが風化していくことに危惧を感じている次第であります。
余談になりますが、8月25日は私の87歳の誕生日でした。
子供と孫が集まりお祝いをしてくれたので、食後に録画していたこのアニメを観せたら全員が涙を流して暫く無言の状態でした。
世代によって感じ方は異なってくると思いますが、私は物語の清太と同じ世代であるので、当時の世相を想い出し、瞼が熱くなってしまいました。
野坂昭如氏は早稲田大學で私の3年先輩であり、他界されたことは残念でたまりません。
平和の世界を謳歌している皆さんも、このようなことが75年前に実際にあったことを心に留めて頂く意味から、機会があれば書籍とアニメを見て頂きたく、お願い致します。
最後に一言付け加えますが、この小説とアニメでドロップの缶が出てきますが、私はこの話のメインであると思い、ドロップを買い求めその缶を書棚に置いております。