【OB校友】「学院VC (ベンチャーキャピタリスト) のご縁」49期 國分丈明
1998(平成10) 卒 49期 H組 國分丈明 法
学院VC(ベンチャーキャピタリスト)のご縁
1995年入学、H組、ドイツ語の國分丈明と申します。
この度62期の吉村直途さんにご縁をいただき寄稿することになりました。吉村さんとは一回り以上年齢が離れており学院でも大学でもかかわっていませんがひょんなことからつながりました。私は現在(株)ロッテベンチャーズ・ジャパンという会社で代表取締役を務めています。実はこの会社を立ち上げ、取締役を務めるのがユニクロ副社長、リヴァンプ創業社長、そしてファミリーマート社長を歴任した澤田貴司さんです。吉村さんは伊藤忠商事時代、この澤田さんとファミリーマートで衣料品事業を立ち上げ、その後起業したWellbody(株)でも澤田さんと深くかかわっています。吉村さんとは、たまたま澤田さんを囲む飲み会で出会い、お互い学院卒であることを知り、今回の寄稿につながりました(このご縁から弊社では福利厚生としてWellbody(株)のOffi-Stretch(理学療法士によるフィジカルケアサービス https://offi-stretch.com/)を導入しています。学院の後輩に頼まれたら断ることはできません)。
澤田貴司さんのファミリーマートでの活躍を描いた本
私は2018年からベンチャーキャピタル(VC)というスタートアップ企業へ投資する仕事をしていますが、この仕事をはじめてから学院卒業生に出会う機会が爆発的に増えました。なんと日本でVCをしている学院卒業生は私が知るだけで15名以上います。現役VCを卒業高校別でカウントしたら最大派閥になると思います。先日この「学院VC」で飲み会をしました。当然自己紹介は何組、何語、担任、部活、入学年、卒業年から始まりましたが、入学年と卒業年を確認するところが留年の多い学院らしいですね。この回に参加していたGazelle Capitalの石橋孝太郎さんとは担任が一緒(弓野先生)という話で盛り上がり、彼のYouTube番組(スタートアップ投資TV)にも出演させていただきました(学院についても少し話しています)。
Gazelle Capital石橋代表(学院2009年卒、J組、ドイツ語)のYouTubeへ出演
https://youtu.be/bow-fNQS-bg?si=q9FO6iVCaKIebRrR
学院VC飲み会では20代から50代のベンチャーキャピタリストが年齢を超えて学院と業界について語り合うとても楽しい時間でした。全員に共通しているのが「今も昔も自由にやっていること」。これは「法を犯さなければ何をしてもよい」という寛容な校則に裏付けされた究極の自己責任主義と、試験で点をとりさえすれば進級できるという徹底した実力主義の下で高校3年間(人によっては6年間)という多感な時期を過ごした結果だと感じています。上記飲み会参加者も、学院時代は部活に打ち込んだり、バイトをしたり、自分探し(という名目でナンパ活動)に励むなど自由に学院生活を過ごしていたようでした。そして社会人になっても、新卒で入った会社を辞め、VCという「縛られないが結果がすべて」という世界に吸い込まれてきた人達なのでしょう。
そういう私は学院時代は完全に迷走していました。サッカー部に入部し3か月でやめ、某遊園地のプールでライフガードのアルバイトをしたり、ボクシングジムに通ったり、バンドを組んだり、田舎者のくせにやたらと代官山にいったり、眉毛を細くして池袋をうろうろしたりと、今振り返ると意味不明な3年間でしたが一貫していたのは「モテそうなことをやってみる」でした。このような高校生活を送ったせいか、社会人になってからもかっこよさそうなことをやりたがる癖が抜けず、MBAやシリコンバレーというきらびやかなワードに惹かれ、会社にわがままを言いケンブリッジ大学に留学させてもらったりシリコンバレーに駐在したりとやりたい放題やらせていただきました(前職には本当に感謝しています)。そんな中、ある日突然冒頭の澤田さんに声をかけていただき、現在は帰国してロッテベンチャーズの社長をしています。
社長という仕事は結果がすべて、数字だけが見られます。一方、すべて自己責任ですが裁量権はあります。これは学院の「校則は最低限、あとは自己責任」 、「点をとれば進級できる(赤点は厳しいが)」と似ているなと、本原稿を書きながら思いました。学院卒の起業家も増えていると聞きます。実は学院は経営者の資質を育てるには最高の環境なのかもしれません。