【今思うこと】「学院での繋がりを大切に」72期 星野聖敬
2021年(令和3) 卒 72期 星野聖敬 H組 経済
学院での繋がりを大切に
この度、寄稿の機会をいただきました、72期卒業の星野聖敬でございます。
学院時代は、数学科の坂田先生のクラスにお世話になり、ゴルフ部に所属しておりました。卒業後は政治経済学部に進学し、応援部に入部いたしました。まず初めに、少々応援部で感じたことについてお話できればと思います。
「応援部にて」
令和6年度早稲田大学応援部では昨年度「チーム早稲田」という目標を掲げ、早稲田スポーツをはじめとした早稲田全体を盛り上げようと、例年以上に多くの活動に取り組んで参りました。
私はコロナ禍が明けた2023年、コロナ禍以前の応援を取り戻そうと仲間と力を合わせながら試行錯誤し、ようやく観客の皆様と一緒に応援が出来るという喜びを感じた事を覚えております。しかしながら、一昨年度以上に多くの事を学んだのは、コロナ禍での応援活動でした。
応援席でただ頑張れと声を出す事が応援部の存在意義ではない。日頃から選手とコミュニケーションを取り、関係性を構築して、あいつが来てくれるから今日は頑張れると、「目には見えない力」で応援する事が、自分に求められた存在意義なのだと、コロナ禍を通じて認識しました。野球部のみんなに積極的にコミュニケーションを取る事を意識しております。試合前の神宮の軒下で、私は野球部のみんなに絡んでおりました。東北楽天ゴールデンイーグルスより5位指名を受けた吉納選手が「つばさ」、学院同期で北海道日本ハムファイターズから5位指名を受けた山縣選手が「がたしゅう」の愛称で応援されているように、選手を下の名前やニックネームで応援するのも、山縣選手との会話の中で「がたしゅう」と呼ばれたいと聞いたからです。私が4年間追い求めた応援が、野球部のみんなと仲良くなる事で達成されると思うと、応援とは案外シンプルなものなのかもしれません。
昨年度の春季リーグ戦では、早稲田は4年ぶりの優勝を果たしました。そして秋季リーグ戦では、宿敵明治大学との4時間35分の激闘を乗り越え、9年ぶりの春秋連覇を果たしました。
【OBの活躍】東京六大学野球で春秋連覇した「優勝祝賀会」11期 堤 哲 | 早稲田大学高等学院同窓会
「学院生は永遠に学院生」
さて、なぜ私は応援部に入部したのでしょうか。なぜ厳しい環境を乗り越えられたのでしょうか。本稿では私が学院に、大学で応援部に入部するきっかけを与えられ、大学時代を支えられ、そしてこの先の道を切り拓いてくれたというお話をさせていただければと思います。
私が大学で応援部に入部したのは、3年間の自由で怠惰な学院生活がきっかけでした。良くも悪くも、学院時代を呑気に過ごしておりました。私はこれを決して悪い事だとは思っておりません。男子だけの空間で気楽に過ごし、仲間と馬鹿騒ぎをし、毎日笑いの絶えない日々でした。最高の時間でした。よく、「大学は人生の夏休み」と呼ぶそうですが、私にとっての人生の夏休みは紛れもなく学院の3年間でした。しかし、3年生になる直前の冬に起きた、新型コロナウイルス感染症蔓延から卒業までを経て、3年間の学院生活の中に後悔を感じるようになりました。特に学問やスキルの面で、もっと社会に出た時に為になる勉強をしておけばよかった、何か資格を取っておけばよかった、そんな後悔をいたしました。学院生の中には、留学に行く子や資格勉強に勤しむ子、SGHで社会問題に向き合う子など、優秀な生徒が沢山いました。しかしながら、学院生活が後悔で終わったという話ではありません。ただ、自由で楽しく、ストレスの無い学院生活の中に、少しだけ後悔があるということです。時間は戻らない、後悔をしたくない、時間が経った時に誇れる自分でありたい、厳しい環境に行きたい、応援部で4年間を打ち込みたい、そう思わせてくれたのが学院生活でした。
そして学院を卒業、大学に入学し、応援部に入部しました。応援部では予想通り厳しいことの連続でした。それでも後悔したくないと選んだ選択なので、辞めるつもりはありませんでした。だからこそ逃げ場が無く、辛いと感じることも多くありました。そんな時に支えになったのは、学院の同級生でした。環境が変わっても当時と同じ雰囲気を感じ、自分を応援してくれる学院の友人から元気を貰っていました。部内で当たり前とされている事でも、学院の友人は驚き面白がってくれ、自分がやっている辛い事が学院生の笑いのネタになるなら良いと思って日々過ごしておりました。しかし、支えてくれたのは友人だけではありません。学院出身で応援部の先輩部員の方々にも支えていただきました。私が新人の際に当時の4年生であった69期の薗田さん、3年生70期の井上さん、梶野さんがいらっしゃっており、同じ母校出身ということで後輩の私を気に掛けてくださりました。上下関係が厳しい部活で、上級生と接点を持てることがとても嬉しかったと感じております。卒部後も大変お世話になりました。
やがて念願の4年生となり、部を背負う立場になりました。下級生の時の厳しさとは異なる、困難な状況に直面することが多く、とても良い経験をさせていただいたと感じております。そんな中、部活動と並行して自身の進路にも向き合わなければなりませんでした。その際、68期の谷下さんをはじめ、沢山の学院OBの諸先輩方にお力添えをいただきました。同じ母校ということ理由だけで、いち学生に真摯に向き合っていただきました。
この様に私は、学院にきっかけを与えられ、支えられ、学院が道を切り拓いてくれました。学院生は永遠に学院生、学院での友人は永遠に友人。まだ22年と少ししか人生を生きていない若僧がこの様な事を申し上げるのは恐縮ですが、是非学院仲間との関係を大切にしていただければと思います。
学院生、学院卒業生の皆様のあらゆる分野でのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
(写真撮影:仁禮様)