【学部生便り】 「 学院時代は『英語オタク』だった私 」 69期 三上塁 国際教養学部2年

2018(平30)卒 69期 三上塁 E組 国際教養

グローバル化の最前線に立って

 

 メールマガジン第2号の配信に際しまして、執筆の機会をいただきました、69期卒業生の三上塁と申します。このたびは、多方面でご活躍なさる先輩方をさしおいて大変恐縮ではございますが、一文を寄せさせていただきます。

 私は現在、早稲田大学国際教養学部に在学しています。2004年に新設されたこの学部では、第二外国語を除く全ての授業が英語で行われています。また、1年以上の海外留学が必須になっており、日本人同士の日常会話も英語で行われることがほとんどです。海外経験が全くなかった私が、オールイングリッシュの学部に飛び込んだのには、中学と高校の6年間を過ごした学院で得た、かけがえのない経験がありました。

学院で培った「国際感覚」

 私が英語に初めて触れたのは、高等学院中学部に入学してからでした。中学部では受験勉強がないので、興味の赴くままに洋楽を聞いたり、洋書を読んだりしていました。中学部の授業内容も高等学院同様に非常に自由だったので、英語科の先生のところへ赴いては、次に授業で扱ってほしい教材をリクエストしていました。

 そんな「英語オタク」だった私にとって、転機になったのが高等学院でのSGH(Super Global High School)プロジェクトでした。SGHとは、文部科学省が、深い教養・コミュニケーション能力・問題解決力を備えたグローバル

 人材の育成を重点的に行う高校を指定する制度です。高等学院は実施初年度である2014年度から指定校になっています。私は、SGHプロジェクトの一員として、多文化共生社会の可能性や問題について研究しました。その一環として、高校1年次にはオーストラリアでのフィールドワークを行いました。特に、メルボルンでのホームステイや、シドニー大学の学生とのディスカッションでは、文化や価値観の違いにとても苦労しました。それでも、オーストラリアを発つときに感じた「寂しさ」は、違いを乗り越える苦労こそが国際感覚の第一歩なのだと気づくきっかけになりました。

 このような経験から、現在は中野にある早稲田大学国際学生寮(WISH)で、海外から早稲田にきた留学生と共に、大学生活を送っています。そして、この夏からは私自身もアメリカのミシガン州立大学へ1年間留学する予定です。現地では、多様な文化を映し出すメディアについて学びたいと考えています。

学院のグローバル化

 ここ数年、高等学院ではグローバル化が急速に進んでおり、世界各国から留学生を受け入れています。私も、在籍していたクラス(E組)で、タイからの留学生と1年間、一緒に授業を受けていました。また、2017年度からは、所定の要件を満たした学院生は、留年無しで1年間の海外留学ができるようになりました。これによって、後輩たちは続々と高校留学に挑戦しています。

 こうした、学院のダイナミズムも、先輩方から受け継がれてきた自由闊達な校風の上に成り立つものだと思います。そして、私自身も学院という環境から「自由」や「可能性」という、大きな恵みをいただいた身として、同窓会活動を通して後輩たちの活躍を見守りつつ、精進を重ねていきたいです。

 おわりに、高等学院同窓会の更なる発展を心より祈念いたします。

 

●スーパーグローバルハイスクール公式HP (学院のSGH指定は2014年4月~2019年3月の5年間)

http://www.sghc.jp/

●早稲田大学高等学院・SGHページ

http://www.waseda.jp/gakuin/sgh/