【第13代理事長挨拶】 「“プッシュ型”情報発信で同窓会を活性化」 23期 吉原正

1972(昭47)卒 23期  吉原正 E組 経済

 

「“プッシュ型”情報発信で同窓会を活性化」

 

 会員の皆さまには、日頃、同窓会活動に対するご支援、ご協力をいただき厚く御礼申し上げます。

 2018年から理事長として同窓会運営に関わっております23期の吉原 正(まさし)と申します。卒業は1972年(昭和47年)です。

幼いころの“遊び場”だった早稲田の杜

 生まれも育ちも早稲田で、およそ60年前の昭和30年代前半、近所の子供たちの遊び場といえば大学でした。特に、大隈講堂前の広場や“石炭山”と呼んでいたボイラー用貯炭場(現在はリーガロイヤルホテル敷地内? 当時の「都電通り」に面していた庭球部テニスコートの裏手)での三角ベースや大隈庭園でのザリガニ釣りなどには夢中になりました。大隈侯銅像側の校舎前の“池”でも時々バシャバシャと遊びましたが、怒られたりした記憶はありません。

 こうした、今では考えられないような、おおらかで開放的なキャンパスの中で過ごすうちに、戦前の旧制高等学院に学んだ父に続いて、学院に進んだのは自然な流れでした。

波乱万丈の時代だった

 学院での三年間は、いわゆる「70年安保」の前後で、学生運動の一部が過激化するなど、世の中全体が騒然とした雰囲気に包まれていました。市ヶ谷の自衛隊で「三島(由紀夫)事件」が起きたのも1970年(昭和45年)ですが、北グラウンドでの河野先生の体育の授業中にニュースを知って衝撃を受けたことを思い出します。明るいニュースもありました。1969年(昭和44年)4月入学後にあったESSの夏合宿での出来事です。野尻湖での合宿中の7月20日に人類史上初の月面着陸が、テレビ同時中継されたのです。湖畔にあった旅館「野田屋」の食堂の小さな白黒テレビを通して、アームストロング船長らが月面に降り立った歴史的瞬間を全員で共有しました。科学技術の進歩と米国の「強さ」を強烈に感じたのを覚えています。

 その後、自分を含め、部員の多くが海外留学に飛び出していきましたが、こうした体験に背中を押された面もあったのかもしれません。

 さて、この度、同窓会の新たな試みとして、メールマガジンを創刊しました。合わせてホームページの見直しも実施して、メールマガジンにリンクさせるなど、より充実した内容にしていきます。メールマガジンは「同窓会活動をより拡がりのある、楽しく、充実したものにする」ことを目的として、“プッシュ型”の情報発信を行うべく、数年の準備期間を経て、漸く実現に至ったものです。当面は年二回の発信を予定しています。

メルマガ班 打ち合わせ

 ご覧いただいているとおり、「学院の今」「学院生の活躍」「OB紹介」「学院時代の思い出」「クラス会・部活OB会情報」など、できるだけ幅広い“旬”の情報をお届けすることで、世代に関わりなく、皆様の学院に対する愛着と理解を深めていただくことが出来ればと考えています。

 メールマガジンとホームページの運営は、同窓会理事の中の担当が中心となって担っていきますが、未だ人数も限られており、これから体制強化の取り組みを進めてまいります。しかしながら、充実した情報発信を長期安定的に継続していくためには、皆様からの投稿や、ご提案、ご意見などが欠かせません。ホームページなどを通じて、ご協力くださるようお願い致します。

学院卒業生の「多様性」

 メールマガジン受信者数を増やしていくことも重要な課題です。今回は、以前「同窓会名簿」作成時にメールアドレスを登録いただいた方々に対して送信していますが、未だ全体のごく一部にすぎません。今後はホームページからメールマガジン受信のためのメールアドレス登録が可能となりましたので、同級生、部活の仲間、お知り合いなど周囲の方々にもお声掛けいただければ幸いです。

 今年は新制高等学院創立「70周年」の年にあたります。戦後間もない1949年(昭和24年)に現在の戸山キャンパス内に創設された高等学院は、1956年(昭和31年)の上石神井移転、2010年(平成22年)の中学部新設などの変遷を経て大きく発展する中で、4万名余りの卒業生を送り出してきました。今回、メールマガジンの企画に関わる中で改めて認識したのが、卒業生の活躍の「多様性」でした。それはビジネスをはじめ、政治、行政、法曹、学術、文化、ジャーナリズム、音楽、芸能等々、実に多彩で、「これから掲載するOB関連記事の“ネタ”には全く困らないだろうな」というのが実感です。これも、70年という長い年月を通じて、あるいは1920年創立の旧制高等学院にまで遡れば100年もの間、学院に脈々と流れ続ける「自由」の気風の中で育まれてきたものだと思います。

 今後、メールマガジンやホームページを通して、皆様に多彩な「自由」の風を感じていただけるような情報をお届けできるよう、関係者一同努力していきますので、引き続きご支援をお願い申し上げます。