【思い出】 「私が応援部に入ったわけ」 28期 島田義也 (旧名 島田昭)

1977(昭和52)年卒 28期 I組 島田義也(旧名:島田昭) 法

「私が応援部に入ったわけ」

 

1.応援部に入ろうと思った最初のきっかけ

 1980年(昭和55年)12月に早稲田大学応援部を卒部してから今年で40年目になります。私は経歴上は早稲田大学法学部卒業ですが、実感としては早稲田大学応援学部リーダー学科卒なのじゃないかというぐらい学生時代は応援部生活にどっぷりとつかっていました。学生の本分は勉強ですから決して胸を張って自慢出来ることではないのですが、4年間打ち込めるものがあったのは本当に幸せだったと思っています。応援部に入ろうと思ったきっかけはいくつかありましたが、その中でいちばん古い記憶は中学生の時です。当時、明治大学に行っている従兄がいたのですが、彼の家で「東京六大学校歌応援歌集『六旗の下に』」というレコードを聞かされました。「六旗の下に」というのは今でも続いている東京六大学応援団連盟主催のステージ活動で、各校の応援団員が校歌、応援歌、拍手を紹介するという催し物です。そういう世界が好きな人はいつの時代にもいるもので、レコードを持っていたぐらいですから私の従兄もファンだったのかも知れません。大学応援団というものについてまったく予備知識がなかった私はそのレコードを聴いて迫力に圧倒されました。「応援団ってカッケ―」と初めて思ったのがその時でした。

2.学院時代は剣道部だった

 そんな記憶があったものですから学院に入学した時も漠然と「応援部の活動状況を知りたい」と思っていたのですが、残念ながら学院には応援部がありませんでした。それほど強烈に「応援部に入りたい」という思いがあったわけでもなかったので学院では中学時代にやっていた剣道を続けることにしました。当時の学院の武道系各部は練習環境はとても貧弱でした。今はもう存在しない「旧体育館」という今にも崩れ落ちそうな老朽化した道場を剣道部・柔道部・空手部の3部で使っていました。道場を使用しての練習は週3日しかできず、他の日は体力トレーニングをしたり他校との練習試合を組んで練習時間の不足を補っていました。また、早稲田大学の道場で大学生の剣道部員と一緒に練習を行うこともありました。そんな練習環境ではありましたが、当時の剣道部は結構健闘していて、東京都大会でコンスタントにベスト16からベスト8に入るぐらいの実力がありました。が、それは部全体の話で、私自身はまったく強くありませんでした。練習は一生懸命やったのですが、今にして思えば強くなるための練習ではなくて、単に体を痛めつけるためだけの練習、頭を使わない自己満足の練習だったので体力だけは部の中でもトップクラスでしたが試合には全く勝てませんでした。

 

3.応援部に入ろうと思った次のきっかけ

 今はどういうふうになっているのか知りませんが、私の学院在籍当時は早慶野球戦のチケットが各クラス9枚割り当てがありました。当時は早慶戦は人気があり、神宮球場は毎回超満員になっていました。クラスの中でもチケットを希望するやつはたくさんいて、入手するためには抽選で当たる必要がありました。私ももちろん観戦希望者ですので毎回抽選には参加しました。不幸にして外れることもありましたが何回かは見にいくことが出来ました。そこで見た応援部員は純朴な高校生の目にはやはり「カッケ―!」と映りました。こういう経験が後日早稲田大学応援部の門を叩かせる一因になっていたことは間違いありません。

4.応援部に入ろうと思った最後のきっかけ

 そうこうするうちに学院を卒業し、法学部に進学しました。どういうわけか「大学に入ったら軟弱サークルにでも入って青春を謳歌しよう」なんて気持ちはなく、中学高校でやっていた剣道を引き続きやるか、「カッケ―」と思っていた応援部に入るかどちらかにしようと決めていました。入学式を終えるとすぐ応援部の部室に行きました。選択肢の1つだった剣道部は高校生の頃から大学の部員とときどき一緒に稽古させてもらっていたので活動状況はだいたい知っていました。だから応援部の話をきいてからどちらにするか決めようと思っただけでその時点では明確に応援部入部の意思があったわけではありませんでした。部室に行ってみるといかにも戦前からあるような「體育會 應援部」と書かれた看板がかかっていました。何だか怖くなりましたが思い切ってドアをノックしてみました。しかし返事がありません。ドアノブを回しましたが鍵がかかっていました。不在のようでした。なぜかホッとしました。やっぱりこのまま剣道部に入ろう、と気持ちが決まりかけ、その場から退散しようと思ったその時、もう一人の入部希望者がやってきて、学生服姿の私を見て「応援部の方ですか? 入部したいんです!」といかにも気合の入った声で私に話しかけてきました。私はビビッて「いえ、あのー、僕も話だけ聞きに来た新入生です」というようなことを答えました。と、そこに入学式での出番を終えた先輩応援部員が旗やら太鼓やらを持って帰ってきたのです。私に気合の入った声で話しかけてきたそいつは先輩にも「応援部に入れて下さい!」と怒鳴りました。先輩、ニコーっと笑って「あっそう。じゃ部室に入って」と我々2名を部室に連れ込んでしまいました。運の尽きでした。こうして私は一度も「入部する」と意思表示しないままなぜか入部したことになってしまい、ここから人生が大きく狂い始めたのです。

5.おわりに

 当初、この投稿のタイトルは「我が青春の応援部」にしようかと思っていましたが途中で「私が応援部に入ったわけ」に変更しました。理由は、「応援部時代の思い出はとても短い言葉では語り尽せない」と悟ったからです。書きたいことは山ほどありますが長くなるのでこの場では省略させていただきます。

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・応援団 この面白き世界(第1巻)人生で必要なことの数々は応援団で学んだ

・応援団 この面白き世界(第2巻)早稲田大学応援部こぼれ話(その1)