【寄贈】「学院図書館内 藤田宜永文庫の設立」報告 20期 吉田重雄

1969(S44)卒 20G 吉田重雄 経済

「藤田宜永文庫の設立」報告

 学院同窓会メールマガジン第4号で「藤田宜永君を偲ぶ」を投稿した者です。去る1月30日に藤田君の一周忌を迎えました。この1年の間に、私は学院図書室に「藤田宜永文庫」を設けることを考え、奥様の小池真理子さんに相談したところ、大変喜んでいただき、その実現に向けて頑張ってきました。

  昨年11月に学院側もこの企画を受け入れてくださり、 学院図書室に「藤田文庫」を設ける件が承認され、先日、寄贈本を学院に届けに行きました。 私と小池真理子さんの蔵書84冊、&学院図書室が既に保有している藤田本を含め、約100冊の「藤田文庫」が設置されます。以下、その報告をいたします。

図書室における設置場所

 図書室入口入ってすぐの正面に、現在「三島没後50年」の展示がありますが、その後にある右傾斜書棚(雑誌が入っている)の位置に「藤田文庫」を置き、「藤田宜永紹介文」(略歴・受賞作品紹介等)と本人写真の掲示する予定です。

 実は、私は学院生時代、図書同好会の委員長をしていました。今でも、当時の学院図書室の写真と、3年間の「読書カード」を持っています。当時、図書室は伊藤助松先生と羽田さん(図書館司書?)という男性がおられました。

 今回、藤田君のおかげで、52年ぶりに新しい学院図書室に行くことができ嬉しく、懐かしく思いました。学院図書室の一部を見学することができたのですが、立派な図書室に驚きました。

 新潮文庫本コーナーには、藤田本・小池本も収納されておりました。

 

藤田 宜永 (ふじた よしなが、1950年4月12日 – 2020年1月30日)

1950年、福井県福井市生れ。
1966年、早稲田大学高等学院、20期生として入学。G組:組担任・小久江満先生、第2外国語はドイツ語を選択、部活は演劇部所属。
1970年、早稲田大学高等学院、留年したため21期生として卒業。(21期生・E組 : 組担主任・都倉義孝先生)
早稲田大学第一文学部に進むが中退、パリに渡ってエールフランスにも勤務。

1980年、 フランスからの帰国後、フランスミステリーの翻訳、文筆活動に本格的に取り組みエッセイを執筆しつつ小説も手がける。
1986年、『野望のラビリンス』で小説デビュー。
1995年、『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞、第13回日本冒険小説協会特別賞受賞。
1996年、『巴里からの遺言』で第14回日本冒険小説協会最優秀短編賞受賞。
1997年、『樹下の想い』で恋愛小説にも新境地を開き、
1999年、『求愛』で第6回島清恋愛文学賞受賞、
2001年、『愛の領分』で第125回直木賞を受賞。
2017年、『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞。

学院図書室の文庫コーナー

 他の作品に『樹下の想い』『異端の夏』『戦力外通告』『転々』『リミックス』『乱調』『老猿』『風屋敷の告白』『わかって下さい』『ブルーブラッド』などがある。~『異端の夏』は渡辺謙主演でテレビ東京、『戦力外通告』は中村雅俊主演でWOWOW~でドラマ化され放送。『転々』がオダギリジョー主演で映画化された。日本推理作家協会賞選考委員、島清恋愛文学賞選考委員、大藪春彦賞選考委員、アガサ・クリスティ賞選考委員、日本シャンソンコンクール審査員ほかにも多くの作品賞の選考委員を務めていた。

小池真理子氏(奥様)も小説家

『恋』で第114回直木賞、『欲望』で第5回島清恋愛文学賞、『虹の彼方』で第19回柴田錬三郎賞、『無花果の森』で第62回芸術選奨文部科学大臣賞、『沈黙の人』で第47回吉川英治文学賞~を受賞