【学院生】「弓道部、12年ぶりインターハイの結果報告」 高等学院3年L組 佐藤蒼 (主将・インターハイ個人優勝)

高等学院3年L組 佐藤蒼

「弓道部、12年ぶりインターハイの結果報告」

 メールマガジンの発行に際しまして、榎本先生から寄稿の機会をいただきました、高等学院3年の佐藤蒼と申します。さまざまな分野でご活躍される先輩方に名前を連ねることとなり大変恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。
 現在私は高等学院に在籍し、弓道部主将を務めさせていただいております。今年、早大学院弓道部は北海道札幌市で行われた、令和5年度全国高等学校総合体育大会(通称:インターハイ)の弓道競技大会となる、第68回全国高等学校弓道大会に出場いたしました。本稿では、インターハイへの道のり、そしてインターハイの競技結果について寄稿したいと思います。

早大学院弓道部の都総体
 2023年6月、令和5年度東京都総合体育大会が行われました。弓道競技では、約80校もの高校が、個人の2枠、そして団体の1枠を目指し、28m離れた36cmの的を狙います。団体戦は5人チーム、各4射の計20射で予選を行います。前日の練習まで好調を維持していた私たちは、20射13中で予選首位通過となりました。翌週の準決勝では大きく調子を落とし9中となりましたが、予選の高的中に助けられ準決勝も首位通過、そして決勝では11中と、あまり的中は振るわなかったものの2位と3中差をつけ、無事12年ぶりとなるインターハイ出場を決めました。
 個人戦では私が優勝、そして高等学院3年の奥村元紀が準優勝となり、早大学院弓道部がインターハイ男子の枠を独占するという快挙を成し遂げ、北海道行きを決めました。

早大学院弓道部のインターハイ
 8月3日から始まるインターハイに参加するため、私たちは7月31日に北海道入りをしました。試合当日までの3日間は、現地での練習が続きました。
 8月3日、ついにインターハイ弓道競技が始まりました。初日は個人戦が行われました。全国大会の競技方法は都大会とは異なり、予選4射3中以上で通過、準決勝4射3中以上で通過、決勝進出者で射詰競射を行います。つまり、決勝では1本でも外した時点で負けとなる非常に厳しい戦いとなります。
 競技は女子予選、男子予選、女子準決勝、男子準決勝、女子決勝、男子決勝の順で行われました。予選では、私が1射目を外しましたが、2射目から4射目まで3本連続で的中させ予選通過、奥村が1中で予選敗退となりました。私は続く準決勝で4射皆中とし、決勝進出を決めました。
 決勝では、周りの選手が少しずつ減っていく中、危ない場面はありながらもなんとか4射連続で的中させることができました。4射終了時点で残り8名となり、入賞が確定しました。5本目以降は今までの36cm的からさらに小さい24cm的を使用します。私は決勝5本目を無事的中させ、他の6人の選手が外したため、この時点で準優勝以上が確定、一騎打ちとなりました。人生で経験したことのない緊張から、弓を構えると膝が震えてきました。それでも膝に力を込め全力でやり切った矢は、ほぼ的心を貫きました。先に引き終わり、もう1人の選手が引き終わるのを静かに待ちます。そして放たれた矢は的のごく僅か右上に外れ、その瞬間、インターハイ個人優勝が決定しました。

 学院弓道部史上初(3位入賞以上は17年ぶり3回目)となるインターハイ個人優勝が、まさか自分になるとは思っていませんでした。競技終了直後はなかなか実感が湧きませんでしたが、監督や仲間、保護者の方々、他校の選手に「おめでとう。」と声をかけられるにつれ、徐々に実感が湧いてきました。表彰式終了後は翌日にある団体戦のために、すぐ練習へ向かいました。
 8月4日、2日目となるこの日は、団体予選が行われました。5人チーム、各4射の計20射の的中により、上位32校の決勝トーナメント進出校を決定します。前日の練習でチーム的中が伸び悩んでおり、また前日個人戦に出場した奥村を急遽補欠と交代させるという、非常に厳しいチーム状態での試合となりました。結果としては20射10中、予選通過ラインの11中に後僅か1中足りず、予選敗退となりました。悔しい結果にはなりましたが、メンバー全員が全力を尽くした的中でした。私たちは24グループ中3グループ目であったため、引き終わった後も予選通過の希望を捨てず、他校の試合を見届けました。残念ながら多くの学校が10中を上回っていき、最後の学校を待たずに予選敗退が決定することとなりました。全ての試合が終わり、会場の外に出た後、メンバー全員での記念撮影を行いました。
 選手、介添、応援、監督、部長の先生あわせて14人の団体でした。

早大学院弓道部のこれから
 今回のインターハイ出場は、部長の先生方、監督、部員、OBの方々のご協力があってのことです。特にOBの方々には、インターハイ遠征に多大なご支援をいただきました。関係者の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。
 今回のインターハイでは、2年生が2人出場しました。これは、来年につながる大きな経験だと思います。今の2年生は、間違いなく去年の私たちよりも上手く、今後さらに上手くなっていくと確信しています。
 1,2年生には、日々楽しく、なおかつ真剣に稽古に励み、今後の大会でも優勝を目指していってほしいと思います。練習の時から1本1本全力で妥協せずに引くことは、大会の緊張に打ち勝つ大きな自信になります。日置流印西派の、早稲田の射法を忠実に守って日々稽古し、来年のインターハイに再び出場し、私たちが達成できなかった団体全国優勝を成し遂げることを願っています。