【今思うこと】「50歳から世界6大マラソンへ–学院時代には想像もできなかった挑戦!」 30期理事 山口一臣
1979年(昭和54)卒 30期 山口一臣 I組 一文
50歳から世界6大マラソンへ–学院時代には想像もできなかった挑戦!
私が自慢できる生涯の“勲章”
65年間の人生で他人に自慢できることがほとんどない私にとって、唯一と言っていい勲章が世界6大メジャーマラソン(World Marathon Majors=WMM)を完走したことだ。WMMが始まったのは今から20年前(2006年)のこと。当初は世界5大メジャーマラソンだったが、2013年に東京マラソンが加わって「6大メジャー」になった。2015年からアメリカの製薬会社アボット・ラボラトリーズが冠スポンサーになり、正式名称がアボット・ワールドマラソンメジャーズ(Abbott WMM)となる。参加大会は以下の通りだ。
https://www.worldmarathonmajors.com/
・東京マラソン(3月上旬~中旬の日曜日)
・ボストンマラソン(4月第3月曜日)
・TCSロンドンマラソン(4月下旬~5月上旬の日曜日)
・BMWベルリンマラソン(9月最終日曜日)
・Bank of Americaシカゴマラソン(10月第2日曜日)
・TCSニューヨークシティマラソン(11月第1日曜日)

(写真①)6大会完走証
WMMが素晴らしいのは世界一流ランナーが頂点をめざすレースであると同時に一般市民ランナーも参加できるということだ。6大会合計で一般参加者は約23万6000人、沿道の観客は760万人以上、参加ランナーがチャリティーで集める寄付金の総額は毎年1億5000万ドルにも上るという。そして、この6大会すべてを走破したランナーは“Six Star Finisher”(SSF)と呼ばれ、各大会のレースディレクターの署名が入った「6大会完走証」と特別な「SSFメダル」が発行され、WMMの公式HPに名前と記録が掲載される。一般の市民ランナーにとってこれ以上の名誉はないはずだ。

(写真②)SSFメダル
この“Six Star Finisher”タイトルを私は2018年5月に獲得した。その後、SSFの数は増え続けているが、当時は世界で合計3786人、日本人は151人しかいなかった。日本のランナー人口は700万人~800万人といわれているから、かなりの希少価値だ。

(写真③)各大会の完走メダル
不健康な毎日だった学院時代
学院時代の私を知っている人には信じられないことだと思う。「あの山口がマラソンを!?」と。なにしろ、1年生の時に入ったラグビー部は練習がきつくて半年も経たないうちに脱走したし、部活を辞めてからは不健康極まりない毎日を送っていた(知る人ぞ知る)。確か、学校行事で多摩湖8kmマラソンというのがあったと思うが、ヒーフー言いながら走り終えた記憶がある。学部(第一文学部)の4年間も当時流行ったスキーやテニスをたまにチャラチャラやるくらい。スポーツ歴ゼロと言ってもよかった。そんな私が、仕事絡みの付き合いでマラソンを始めたのは実は50歳を目前にした頃だ。自分でも信じられなかった。

(写真④)ロンドンマラソンでSSFを達成した!
42.195kmは当時の私にとっては途方もない距離だった。走り始める前は、なんであんな苦しいことを好きこのんでやるんだ? 馬鹿じゃないか、とさえ思っていた。事実、どんなに練習を積んでもレース後半は確実に苦しい。脚の筋肉はパンパンになり、満身創痍だ。が、しかし。いや、だからこそ。ゴールした時の達成感がハンパないのだ。しかも、スポーツ歴ゼロからのスタートなので、レースに出るたびに記録が更新できた。そのせいもあって、私はどんどんハマっていった……。
単純な話、仕事でも遊びでも50歳を過ぎての努力が実を結び、結果につながることはそう多くないだろう。ゴルフ歴30年で、いまだに100を切ったり切らなかったりというゴルファーは実に多い(私もだ)。ゴルフやテニスはなにより才能が結果に影響すると思う。ところが、マラソンは才能より努力が肝心なスポーツのように思えるのだ。走れば走るほど着実にリターンがある(とくに初心者の場合は)。それがなんとも心地よかった。
マックス82kgあった体重がベスト時68kgになり、メタボも完全解消するというおまけまで!

(写真⑤)フィニッシュ後のビールが格別だったシカゴマラソン
東京マラソンで初の4時間切り
マラソンを始めて3年、8回目のフルマラソン(東京マラソン2013)で初めて4時間切り(サブフォー)での完走ができた(3時間52分19秒)。ゴルフで言うと95切りくらいだろうか。これでようやく一人前のランナーと言ってもいい。そうして偶然、この年から東京マラソンがWMMになったという話を耳にして、大胆にもSSFへの挑戦を思い立ったというわけだ(当時、日本人のSSF達成者はわずか8人だった!)。
それから足掛け5年で私もSSFの仲間入りだ。思えば遠くへ来たもんだ(笑)。実はその後、2024年からTCSシドニーマラソンがWMMに加わって「6大」が「7大」になっている。どうせならシドニーも走ってコンプリートしようかと一瞬、思ったが、コロナ以降、ほとんど走ってないし、年齢的にももう無理かな……。

(写真⑥)海外で唯一サブフォーできたベルリンマラソン
そんなわけで、最後に恥ずかしながら私が走った6大マラソンのタイムを記して、この稿をフィニッシュとしたい(写真の完走証にも出ているが)。
・東京(2016年)3時間41分19秒(自己ベスト)
・ボストン(2016年)4時間09分46秒
・ロンドン(2018年)4時間23分36秒
・ベルリン(2017年)3時間58分51秒
・シカゴ(2015年)4時間04分43秒
・ニューヨークシティ(2014年)4時間09分06秒
本当は、6大会すべてでサブフォーしたかったのだが……。できたのは東京とベルリンだけだった。

