【思い出】「NO学院、NOライフ」28期理事 友松猛
1977(昭和52)年卒 28期理事 友松猛 G組 法
NO学院、NOライフ
現在(2026年4月時点)学院同窓会理事長を務めさせていただいています。学院、早稲田大学在学中、その後を含め、つい最近に至るまで、同窓会理事長という立場をいただくなど夢にも考えていませんでした。今も関係が続いている学院28期G組の同級生たちはこのことについて「学院同窓会は何を血迷ったのか」と考えています。私もそう思います。
今回機会をいただき、私と学院の昔を振り返らせていただきます。自分の人生で学院という環境にいたことがいかに重要だったかというお話です。
- 学院時代の3つの出会い
学院入学で軟式テニス部に入部しました。体力、気力、価値観、どれも肌に合わないことは早々に分かりました。でも当時は「根性で乗り切る」時代です。辞めることなど簡単に言い出せず、1年半経ってやっと退部させていただきました。当時の部活動の同期、先輩、後輩には今も頭が上がりません。その直後、吹奏楽部が迎えてくれました。パートは打楽器です。そこで得た空気感は自分に合うと確信しました。
学院時代、同級生のみんなから「いろいろなこと」を教わりました。担任であり、恩師である音楽の矢野好弘先生は、やれやれと思いつつも包容力をもって見守ってくださいました。同級生の中に海外留学を目指し、実践した経験を教えてくれた友人がいました。「いろいろなこと」の中でも重要なことでした。
【恩師のいま】 「音楽の矢野です」 早稲田大学高等学院元音楽教諭 矢野好弘 | 早稲田大学高等学院同窓会
結局、「矢野先生と28期G組」「海外」「音楽」を通した学院の人々および仲間が私のその後の人生を導いてくれました。
- 大学時代の「海外」
学院で「海外」の視点を教えてくれた友人の影響で、当時親戚が駐在していたオーストラリアに夏休みを利用して数か月滞在しました。学院の友人から事前にもらった大切な教えのひとつは、海外の人に対して「言葉が不自由でも前に出て積極的に振る舞う」ことでした。日本人はこれが不慣れです。でもこれを努力することにより後から言葉が出るようになりました。言葉が不自由にもかかわらず、友だちと言えるオーストラリア人もできました。オーストラリアが好きになりました。そうなると当時18歳ながら、ここにいつか住みたいと思うようになりました。
帰国後、英語圏への留学を目指す人たちが立ち上げた大学のサークルに入り、目的意識を持って英語を学びました。机上だけではなく、自らでの実践です。当時アメリカ・シアトルからの交換学生を中心に積極的に交流しました。ここでも友だちができました。
- 社会人になってからの「海外」
大学卒業時、オーストラリア駐在という目標を前面に出して就職活動をしました。IT企業が私を受け入れ海外部門への配属だけでなく、その後オーストラリア・シドニー駐在を任命してくれました。赴任後現地では大学時代に会ったオーストラリアの友人たちと感動の再会です。今回は多少向上した英語で会話もできました。そうか、こいつはこういう人だったんだ、と理解でき関係も深まりました。
シドニーでの再会はそれだけではありません。学院時代比較的親しい同級生であった西原博史君(故人、元早稲田大学教授)を通してお会いしていた西原君のお父様、西原春夫先生(故人、元早稲田大学総長)とシドニー大学での会食会で再びお会いできたことです。学院当時の西原君との関係や、西原春夫先生の運転する車で学院から自宅まで送ってくださった思い出などをお話しさせていただきました。西原春夫先生も驚かれたようすでした。
【思い出】「西原先生(元総長)を偲んで」 28期理事 友松猛 | 早稲田大学高等学院同窓会
- 「音楽」について
在学中、学院吹奏楽部では自由に行動させてもらえました。打楽器演奏における技能的な未熟さはある程度お許しいただくしかありませんでしたが、練習中に全楽団の「指揮」をする体験もさせてもらえました。現在、学院で教師として音楽を指導している浅香満君(同期28期K組・当時吹奏楽部コンサートマスター)のユニークな配慮です。打楽器というひとつのパートではなく、曲および演奏者全体を俯瞰的に見るというコペルニクス的視点を得たと思います。
当時ロックバンドのブームが広がり、学院祭でも演奏する人たちが多くなると、私もロックのドラムを叩くようになり、それは大学進学後も続きます。学院で同級生だった、元「聖飢魔Ⅱ」のギタリスト、清水大輔君(F組)などとライブ演奏を早稲田大学キャンパスで行いました。大変懐かしく貴重な経験です。彼とは数年前、彼のライブコンサートに訪問して再会しました。感動的でした。
近年では同窓会活動を通して、ジャズトランペッター外山喜雄さんを始めとして、角川歴彦さん、奥山康夫さんなど吹奏楽部出身の著名な諸先輩とお会いしお話させてもらいました。吹奏楽部とのご縁を感謝しています。
私はロックバンドのドラマーとして学院G組の同級生と比較的最近まで活動を続けてきました。海外生活の中では、オーストラリアやイギリスで現地の人々とジャムセッションをする機会もあり、音楽が世界共通の言葉であることを実感しました。
- 「矢野先生と28期G組」
矢野先生は本当に大切な恩師です。担任をしていただいた我々G組同級生ほぼみんなが感謝していると思います。教師としてだけでなく、高貴なアーティストだと思います。
矢野先生が作曲された作品を演奏する会(コンサート)を浅香満君が企画して、当時新築されたばかりの学院のホール(講堂)で開催しました。この場所での初の演奏会になったと記憶しています。その時協力いただいた同窓生(諸先輩含む)と共にこの開催をお手伝いしましたが、それを大変誇りに思っています。
この機会だけでなく、学院の重要なイベントで28期G組には運営協力をいただいています。同窓会総会・ホームカミングデー、および昨年(2025年)の早稲田大学稲門祭もそうでした。彼らは本当に「バディ」です。それらイベントでは私の立振る舞いや発言などについて、同期生であるがゆえ批判を含め率直な意見ももらっています。社会人になってから仲間であっても他人を「さん」付けで呼ぶのが基本行動になりましたが、私は依然「さん」を付けない呼び捨てで彼らと会話しています。数少ない「バディ」ゆえです。呼び捨てを同窓会理事長としての「上から目線」といじるG組同級生もいます。あは、何を言っているのか。
28期J組にも触れたいと思います。学院在学中私は授業が「休講」となった機会を利用して、他のクラスの授業にたびたび忍び込んでいました。G組以外のクラスはどんな雰囲気なのかを知りたいという興味からです。元学院長であり同級生であった本杉秀穂君が在籍したJ組は、私にとって印象深いクラスのひとつでした。とにかく団結心が強く一段となって行動する人たちです。この絆は今も続いており、総会・ホームカミングデーなどでも現在ご協力いただいています。彼らも「バディ」です。
- 同窓会理事会での仕事
学院卒業後の人生の前半は、学院同窓会とは離れた日々を送ってきましたが、ご縁で2010年代に同窓会理事就任のお話しをいただきました。懐かしく、学院への思いとご恩を多く感じていたため、ほぼふたつ返事でお受けしました。当時学院同窓会の中で私は新参者の理事でした。でもその後、更にオファーを受け、2023年4月から理事長を務めることになりました。比較的急ピッチでの採用(?)です。
何回も申し上げますが、私は学院に大きな感謝の念を持っています。学院での経験がなければまったく別の人生を進んできたと思いますが、それは今やありえないことです。そんな経緯でお受けした理事長職ですが当初より責任の重たさを感じてきました。ただ、面白いことも少しずつ分かってきました。学院と同窓生の「前進」というポジティブなテーマが目の前に見えるからです。
理事長挨拶 | 同窓会について | 早稲田大学高等学院同窓会
- 自己紹介
ここまで私が歩んできた道程をお話しましたが、私と親族に関する紹介をさせていただきます。
私は1958年東京都中野区鷺宮に生まれ、鷺宮小学校、中野区立第八中学校を経て学院に入りました。28期生として学院卒業後法学部に進み、その後畑違いのIT会社で海外に特化したシステムズエンジニアとして働きました。海外駐在は合計10年ほどになります。駐在を含め20以上の国を訪れる機会を得ました。現在は生まれた地である鷺宮に住んでいます。学院との打合せなどがあれば自宅から上石神井キャンパスまで在学中と同様に自転車で「通学」しています。
母方祖父は早稲田高校教頭、母の兄は早稲田大学名誉教授、従兄が早稲田大学高等学院卒業、甥の長男も今年早稲田大学高等学院を卒業しました。長女の義父は早稲田大学を卒業、次女も早稲田大学を卒業しました。加えて、義弟も早稲田大学卒業、父方の従弟は本庄高等学院卒業です。家族、親類縁者の多くが早稲田とのつながりをもっていることに慶応大学卒業の亡き父は嘆いていました。早稲田との関係は強いですが、学院への裏口入学は試みていません。(笑)
- 最後に
つい先日学院の入学式に同窓会理事長として参列させていただきました。その際、本木学院長が新入生にされたお話しの中に、「多様性」尊重の重要性といった趣旨のものがありました。学院というユニークな場所に、若く多感な年代に「いろいろなこと」を経験できたことは私にとって奇跡と言えると思います。それこそ私は学院から多様性に接する多くの機会をもらえたのではないかと思います。同時に私だけでなく、そう感じている同窓生も多くいると確信しています。学院の素晴らしさを感じずにはいられません。

田中総長(中央)、本木学院長(左)と学院入学式にて
みなさん、学院の今後をぜひ一緒に見守りませんか。同窓会へのご協力をよろしくお願いします。
第14代同窓会理事長 友松猛

